皆さん、こんにちは。DIC学園の内田仁です。

近年は次々と加速的に新しい言葉が生まれ、すぐに消えていくように感じます。そして、それが馴染んできた矢先、すでに流行遅れであることを知り、気持ちが萎えたことも多々あります。ちなみに、このことを「きまZ [きまぜっと]」と言うそうで、2021年頃に高校生の間で流行しました(検索して、初めて知りました)。
学習用語に関しても、当然その影響があります。私が学生時代に習っていた言葉が現在、様変わりしてしまった例をいくつか挙げていきます。このブログを御覧になっている保護者の方々も、懐かしく感じられる用語があるかと思います。

社会編
・リアス式海岸→リアス海岸
昭和30年代以降使用されてきましたが、「リアス」そのものが入り江の地形を表す語であるので、「式」を入れる必要はなく、地理学・地形学の学術用語としては「リアス海岸」という表記がより適切であるとされるようになりました。近年の学界等の動向をふまえ、平成20年度用のものから「リアス海岸」に表記を変更しました。
同様の傾向は、「縄文式土器・弥生式土器→縄文土器・弥生土器、高床式倉庫→高床倉庫、竪穴式住居→竪穴住居」でも見られます。
・エスキモー→イヌイット
エスキモーは「生肉を食べる人」という差別的な意味を含む可能性がある総称で、主にアラスカ~グリーンランドの先住民を指します。一方、イヌイットは自称で「人々」を意味し、主にカナダやグリーンランドの先住民を指す、現代の公式的な呼び名です。
・インディアン→ネイティヴ・アメリカン
インディアンはコロンブスの誤解に由来する歴史的呼称、ネイティヴ・アメリカンは1960年代以降に使われ始めた、より尊重された表現です。
・エアーズロック→ウルル

エアーズロックは、 1873年に探検家が名付けた英語名で、当時の南オーストラリア州首相に由来します。ウルルは、 先住民アボリジニの伝統的な呼び名です。
現地語で読む傾向としては、「キエフ→キーウ [ウクライナの首都]、リンカーン→リンカン [アメリカの元大統領]、キン・ダイチュウ→キム・デジュン [韓国の元大統領の金大中]」があります。
・大化の改新→乙巳の変
乙巳の変は、中大兄皇子や中臣鎌足らが蘇我入鹿を暗殺した事件です。大化の改新は、その事件後の改革という区別が明確になったため、現在の教科書では「乙巳の変」が重視されるようになりました。
・公定歩合→基準割引率および基準貸付利率
公定歩合は、日本銀行[中央銀行]が民間銀行に資金を貸し出す際の基準となる金利です。かつては金融政策の要でしたが、2006年以降は「基準割引率および基準貸付利率」と名称を変え、主に短期金利の上限を画する役割を果たしています。
理科編
・優性の法則、劣性の法則→顕性の法則、潜性の法則
主な違いは用語の定義で、「優劣」による誤解 [優秀・劣等という誤解] を避けるため、2021年頃から教科書で顕性・潜性へ表記が変更されました。
・脂肪酸とグリセリン→脂肪酸とモノグリセリド
中学校の理科教科書で、脂肪の分解産物が「脂肪酸とグリセリン」から「脂肪酸とモノグリセリド」に変更されたのは、2012年度用教科書からです。近年の研究により、体内ではモノグリセリドまで分解された段階で吸収されるのが実態であると判明したためです。
・単位cal[カロリー]→J[ジュール]
中学校理科で熱量の単位がカロリーからジュールに切り替わったのは、1992年施行の改正計量法を受けてからです。翌1993年頃から教科書で、J[ジュール]が法定の主単位として正式に採用されました。
同様の例として「g重・kg重→N[ニュートン]、mb[ミリバール]→hPa[ヘクトパスカル]」があります。
※そして、何よりも1958~2011年まで1分野[物理・化学]と2分野[生物・地学]と分かれていましたが、現在は各学年1冊ずつになっています。
「言葉は生き物」です。言語は、時代や使う人々によって変化し続けますが、習得したものを大切にしつつ、新しいものにも触れて、柔軟に取り入れていくことも大事だと思います。


























