皆さん、こんにちは。DIC学園熊本校の内田仁です。
前々回ブログで、「変化」というキーワードで書いていますが、入試の出題スタイルや内容も時代とともに変化してきています。
2020年度の大学入試改革 [いわゆる大学入試共通テストの導入] および2022年度からの新学習指導要領の導入に伴い、これまでの「知識・技能」の暗記や知識中心から、「思考力・判断力・表現力・読解力」を重視する方向に変化しています。これに伴い、高校入試も同じように変化しています。 具体例の一つとして、英語では近年「発音・アクセント問題」はほとんど姿を消し、「リスニング問題」の割合が増えました。
今回は、本年2026年度の熊本県公立高校入試後期選抜の傾向(特に近年、真新しいもの)と対策について、理系教科に関して述べたいと思います。
数学
大問3は「データの活用」で、2013年度から高校数学で必修分野になった「データの分析」の影響を受け、2021年度から始まった分野です。聞き慣れない「第1・2・3四分位数、箱ひげ図」などの用語が出てきます。この分野が導入された背景に、現代社会に大量にある情報 [ビッグデータ] の分析力の養成があります。研究によると、私たち現代人が1日あたりに受け取る情報量は、縄文時代の1万倍、江戸時代の500倍だそうです。この大量のデータを正しく分析する力を身につけるため、文部科学省が導入しました。データの情報を活用して整理していく上で必要な論理的思考は、将来社会人になったときの基本的スキルとしても重要になっていきます。
大問5は「関数 」で、パソコン画面上に「グラフ作成ソフト」で表示された図を使います。別にこのような図を使わず、今までの放物線を描いたものでいいのでしょうが、近年は大学入試でもこのようにパソコンを用いた図が増えています。これも近年、授業内でパソコンやタブレットを用い、放物線 のグラフで の値を変えるだけで変化を瞬時に確認できる、といった使い方をしていることが背景にあります。

理科
大問2の地学分野では、「惑星の動き」が出題されていました。太陽系を扱う場合、「太陽・地球・月」か「太陽・地球・金星」が多いのですが、今回は「太陽・地球・火星」の位置関係と公転周期を扱う問題でした。最近は、天体分野を中3の最後に学習することもあり、この分野の受験対策が手薄になりがちです。それにも増して、都市部では光害の影響で夜に星を見上げて観察する実体験の機会も減り、教科書や資料集上での学習が中心です。
大問3の化学分野では、「製鉄のしくみ」をテーマにしたもので、「一酸化炭素」が扱われていました。化学反応式は、「酸化鉄[鉄鉱石]+一酸化炭素 → 鉄+二酸化炭素」です。一酸化炭素を扱った問題は、今まで無かったように思います。

以上、大まかに理系教科を見てきました。複数の資料やデータを見て比較したり、読み取った値を基にした計算をする、というようなパターンが複雑化してきています。基礎力を養成しつつ、応用問題に対応する力がつくと、かなりの得点源になりますので、特に中3受験生の皆さんは早目の対策をされることをお薦めします。また、地学分野で述べたように、実体験の機会が減っています。日常生活や学校教育において、観察・実験といった身体を動かして学ぶ機会が減り、デジタルコンテンツや仮想体験に置き換わっている現状があります。可能ならば、幼少の頃から安全を確保した上での様々な実体験(泥遊び、木登りなど)が、理科には必要だと思います。
次回は、文系教科に関して書きたいと思います。


























