高校数学公式を覚えるために大切な3つのステップ | プロ家庭教師のディック学園プロ家庭教師のディック学園

今回は高校数学の公式をどうやって覚えていくか、本質的な理解の観点から大切なことに迫ってみます。

まず、受験における観点からお話しいたします。

 

                                      

共通テストの数学について、従来のセンター試験に比べてより本質的な理解を問う問題が増えており、公式の丸暗記だけでは対応できなくなっています。「数学における基本的な概念や原理・法則の体系的理解」が求められており、数Ⅰでの三角比と測量、二次関数と利益の最大化の関係など、日常生活や社会の事象を数学化する設問が多くなっています。

また、国公立二次や難関大私立大の記述式問題でも、基本的な内容を組み合わせつつ、解法パターン通りにいかない問題が出題され、分析力や思考力が必要とされています。

それぞれに共通するのは、「本質を正しく理解する力」ですが、教科書レベルの公式内容をしっかりと理解することで、共通テストも二次試験も乗り越えることができます。

これらを踏まえて、公式の効果的な学習法について、私の考える大切なポイントを3つのステップに分けてご紹介いたします。

                                     

① 公式専用ノートを作る

数学の公式一覧はまとめとして参考書などに掲載されていますが、自分自身でも専用ノートを作っておき、新たな発見があるたびに書き込んでいく形が望ましいです。全分野にわたって、教科書に掲載されている公式の証明を自力で記述できるようになることが最終目標です。記号を入れ替えて別の公式を作ってみるなど、日頃から研究していく姿勢が大切です。小さな理解を積み重ねていくことで知識の点と点がつながり、いざというときに柔軟に対処できるようになります。

例として、2021年共通テスト第1日程数学Ⅱ・Bの第一問を挙げてみます。

この設問は三角関数に関するもので、三角関数の合成や最大値について問われています。(1)では、教科書の公式通りとなっていますが、(2)では、sinθ+p cosθ=√□ cos(θ-α)といった、教科書に掲載されていない形が公式として出題されています。教科書で学習するa sinθ+b cosθ=√a^2+b^2 sin(θ+α)の由来を知らずに、作図での公式理解としてのみで止まっている場合はここで戸惑ってしまいます。三角関数の合成公式全般が、加法定理からどのように導き出されたものなのかを知っておけば、cos(θ-α)など、別の形を公式として導き出すことができます。

共通テストの厳しい時間制限の中で高得点を狙うためには、この設問も立ち止まらずに短時間で対処する必要があります。

② 誤答問題の復習に時間を十分にかける

教科書の例題や問題集を解いていて間違うことはよくあると思いますが、やり直す際に間違いの本当の理由を突き詰めることが本質的な理解につながります。

1つ目の例として、数学Ⅲの極限の問題「lim(x→-∞)(√x^2+3x + x)」を挙げてみます。

この問題について、教科書の例題では-t=xのおき換えを行い、t→∞の問題にもち込む解法が紹介されています。ここで、「-t=xとおかなかったから間違った」「x→-∞のときは-t=xとおけばよい」と公式の型として覚えこんで、正解を導いてやり直しが終わり、となると非常にもったいないです。

ここから、「なぜこのようにおき換えるとよいのか」「おき換えを使わずに解く方法はないか」と考えることが大切です。解法の手順としては、∞-∞の不定形の形で無理式であるため、まず有理化を行います。その後、分母・分子をxでくくり出すとき、x→-∞であるからx<0として変形することに注意すれば、おき換えを使わずとも同じ答えを導くことができます。この解法を考察すると、絶対値に関する数学Ⅰの公式√a^2=|a|の理解にたどり着きます。この解法は参考書には別解として載っており、教科書で疑問点を整理してのち、そちらに向かえると良いです。

2つ目の例として、数学Ⅱの相加平均・相乗平均の問題「x、yが正の実数のとき、(x+1/y)(y+4/x)の最小値を求めよ」を挙げてみます。

2017年に実施された試行調査で出題され、教科書や問題集などでもよく目にする問題です。試行調査では「太郎さんと花子さんによる議論」の形式にて、どこが間違っているのかを指摘する設問として扱われていました。

この問題も1つ目の例と同様に、教科書や問題集の問題を解く際に、単に「この問題は展開して解くパターンとして覚えるようにしよう」と捉えると、理解の幅を狭めてしまいます。

「なぜ展開するときとしないときでそれぞれ解答が異なってしまうのか」を突き詰めて考えると「等号成立を調べることの意味」にたどり着きます。教科書や参考書にもコラムとして掲載されており、そちらを見逃さずにチェックする必要があります。このようなステップを踏むことで、相加平均・相乗平均の公式における「等号成立はa=bのとき」の部分の本質的な理解へとつながります。

模試や定期テストの復習でも、誤答問題を丁寧に復習することが点数アップの近道です。点数の上下に一喜一憂することなく、間違ったときこそ公式の本質的な理解につながるチャンスと捉えて下さい。

③ 身近な人と学習をする

教科書や問題集の内容が難解で、公式の解釈ができないなど自分一人で取り組むことが難しい場合は、先生や友人を頼りましょう。数Ⅲの内容が分からない場合は、数学Ⅰや数学Ⅱの内容で躓いているケースも多くあります。また、問題のレベルが上がるほど「どうしてその発想がここで出てくるのか」「模範解答を見たらそれなりに納得できるけれど、自分でその思考にたどり着かない」といった部分が出てきます。先生や友人の思考の流れを知ることで、自分一人の学習では気付かなかったことに気付け、より手数が広がっていくことが期待できます。

また、「太郎さんと花子さんによる議論」の形式のように、先生や友人と相互通行にて知識をアウトプットしていく機会があれば、さらに深い理解につながっていきます。

公式を学ぶ際のポイントと流れをまとめると次のようになります。

 

                                       

①公式専用ノートをつくる。「公式を1日10個、個別に数をこなして覚える」ではなく、「1日1題でもよいので証明過程も書き出しながらじっくり取り組み、その公式の持つ意味を深く知る。他の公式とのつながりがだんだん見えてくる」といったイメージで取り組む。

②教科書の例題や問題集、模試やテストで誤答となった問題を丁寧に復習する。公式専用ノートに、新たな発見がある度に関連するコメントを書き込んでいく。自分だけのオリジナルノートを目指す。

③先生や友人と内容を共有し、議論できるレベルを最終目標にする。新たな発見をノートに追加する。

どの過程においても「どうしてそうなるのか」を探求する姿勢が大切となります。公式を「何となく」ではなく意味を理解して使用するためにも、①の過程でそれぞれの証明まで学んでおく必要があり、証明する過程でさらなる学びを得ることができます。

本質的な理解を深めることで安定した数学の素地になり、本番でどのような問題が出ても対応できる力が養われ、共通テストと二次試験の両方に対応できるようになります。

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