先日、6月13日(火)に鹿児島医師会館で行われた「貿易広告社 進学情報センター」主催の、「全国 国公私立大学 進学説明会」に行ってきました。
コロナの影響も弱まり、来場者数も昨年より増えた感がありました。全国の有名大学に加え、医師会館での実施という事からか、医学部を持つ多くの大学も来られていました。県内からは多くの高校生・保護者の方々が各大学のブースを回り、熱心に受験や入学後の事について聞かれていたようでした。
さて、私の方でも、医学部を設置している全大学のブースをまわり、入試広報担当の方からいち早く2024年度の医学部入試情報を仕入れてきました。
皆様、御存じのように、2025年度入試からは新課程のカリキュラムに基づいた選抜が開始されるため、今年までは医学部入試の変更点はそこまで多くはないという印象を受けますが、医学部受験を検討している方々にとっては気になる情報だと思いますので、今回と次回の2回に分けてお伝えしていきます。
ちなみに、情報収集してきて分かったことですが、2024年入試は、入試本番で英語を完全回避できる受験方式(指定校推薦は除く)が男女共学の2大学で実施されます。(現在のところ、本番で英語を完全回避できる医学部入試は、東京女子医科大学の推薦型選抜しかありません。)
これはとても珍しい事だと思いますので、理数が得意ながら英語が苦手で医学部受験を諦めかかっている人も、是非最後までお読み下さい。
それでは、おそらくどこよりも早い!? 2024年の医学部入試最新情報をお伝えします。
まずは国立大学医学部から
・山形大学医学部では、
一般選抜前期2次試験において、国語の試験をやめます。つまり、英語+数学+理科2科目+面接のみとなります。
記述国語が得意な人にとってはアドバンテージがなくなりますが、オーソドックスな試験となり、一般的な受験生にとっては受けやすくなりそうです。
・山梨大学医学部では、
一般選抜2次試験において英語を新規に追加します。ついに、2次試験で英語が課されましたね。山梨大学といえば、2次試験で英語が全く不要な唯一の国立大学でした。配点の発表については、もう少し先になりそうです。
また、面接試験では集団面接に6人のグループディスカッションを取り入れるとのことです。
後期試験のみの募集となりますが、山梨大学医学部受験生は例年以上に準備が忙しくなりそうです。
・奈良県立医科大学医学部では、
一般選抜前期1次試験における共通テストの外国語選択科目は、「英語」に限定します。(独語、仏語、中国語、韓国語は不可となります。)
一般選抜前期2次試験における学科試験を廃止し、小論文を新規に実施します。小論文では、論理的思考力・着想力・構想力・説明力・表現力等を評価します。(2次試験は、小論文と面接のみ)
学科試験がなくなる点は良いかもしれませんが、小論文対策は何をすべきか、迷いますね。
・ 岡山大学医学部では、
英語外部検定試験のCEFR相当レベルがC2またはC1 ( 実用英検準1級など ) 保有者に対し、共通テストの英語を満点扱いとします。ただし、受験する前年度以降の検定試験の成績が対象となります。
英語については、お隣の広島大学も同様の満点方式を採用していますので、その対抗措置でしょうか。
鹿児島大学、佐賀大学、福岡大学の共通テスト利用入試でも、英語外部検定試験の優遇措置が取られていますが、今後は近畿以東でも広まるでしょうか。
・ 愛媛大学医学部では、
一般選抜、総合型選抜Ⅱおよび学校推薦型選抜Ⅱの共通テストの英語のリーディング : リスニングの配点比率を、9 : 1 → 8 : 2 に変更します。
愛媛大学医学部はこれまでリスニングの配点が最も低く、リスニングが苦手な人にはオススメの大学でしたが、今後は多少の対策も必要になりそうです。
・ 長崎大学医学部では、
学校推薦型選抜Ⅱ研究医枠を 9 名 → 4 名へ、一般選抜前期定員を 71 名 → 76 名 と変更します。
・宮崎大学医学部では、
私費外国人留学生入試を廃止します。
続いて、私立医学部について。
・北里大学医学部では、
学士入学者選抜を1月ではなく、11月の学校推薦型選抜と同日に実施し、「基礎学力検査」「論文」「面接」を行います。
一般選抜1次試験会場を、相模原キャンパスの他は、東京ドーム → 横浜会場へと変更します。
・獨協医科大学医学部では、大きな動きがあります。
一般選抜試験において、後期試験を新規に実施し10名募集します。選抜方法は、従来の一般選抜方式と同じです。一方で、一般選抜前期の募集定員を 57名 → 52名へ、共通テスト利用を10名 → 5名へと減らします。
また、総合型選抜の2次試験のワークショップを、プレゼンテーション(事前課題と当日課題)に変更します。
なお、一般選抜前期試験日において、埼玉県地域枠2名、茨城県地域枠2名、新潟県地域枠2名を新たに認可申請中とのことです。
共通テスト利用選抜においては、国語(現代文)を追加し、国語100点、英語100点、数学100点、理科200点の計500点満点で1次判定を行います。さらに、共通テスト利用の2次試験は、一般選抜後期2次試験と同日(3月5日)に行うということで、期間的には余裕をもって2次試験の準備ができそうです。
さらに、試験会場も例年とは異なります。一般選抜の1次試験会場は、前期が東京(五反田TOC)のみ、後期は栃木(ライトキューブ宇都宮)でのみ実施します。
・ 杏林大学医学部では、
共通テスト利用入試において、英語の代わりに国語(現代文)でも代替可能とします。国語と英語の両方を受けたら、高得点の教科を合否に用いるとのことです。
いかがでしょうか。冒頭で述べたように、この方式なら英語を用いずに医学部受験ができます!
数学+理科は得意で、「英語は苦手だが現代文ならできる」、あるいは「英語より現代文の方が得意!」という人は積極的に受験を考えてよいでしょう。
ただし、この措置は2024年度入学者選抜に限ります。2025年度入試からの共通テスト利用では、英語も国語(現代文)も課すことが発表されていますので、非常にレアな機会だと言えるでしょう!
・国際医療福祉大学医学部では、
帰国生および外国人学校卒業生対象の「特別選抜」における出願資格が、「2年以上継続」→「4学年以上在学」へと変更します。
・東京医科大学医学部では、
「全国ブロック別学校選抜型選抜」を新規に実施します。
全国47都道府県を6ブロックに分け、各ブロックから1名募集します。評定4.0以上で専願制ですが、卒後の縛りはありません。従来の学校推薦型選抜と同じ「基礎学力試験」を課しますが、合格基準点に達した者に対してのみ、2次面接(MMI形式)を行います。配点は、小論文36点(日本語+英語)、書類審査12点、面接32点の合計80点満点となります。
以前、昭和大学や産業医科大学も「入学者出身地の多様性の確保」と同様の趣旨の選抜を行っていましたが、今度は東京医科大学がこのような取り組みを始めるということですね。
なお、この「全国ブロック別学校選抜型選抜」導入に伴い、一般選抜の募集定員を79名 → 74名へと減らします。
・ 金沢医科大学医学部では、
総合型(AO)選抜の募集定員を 14名 → 15名へ、学校推薦型選抜の募集定員を 6名 → 5名へと変更します。
このあたりは、大した変更ではありませんね。
・ 藤田医科大学医学部では、
ふじた未来入試(総合型選抜)において、「専願枠」を廃止し、「独創一理枠」を新たに設け、「高3一般枠」と併せて12名募集します。ただし、「独創一理枠」の出願資格は一浪生まで可能ですが、親族に藤田医科大学の卒業生がいて、専願者に限定されます。いわゆるコネ枠入試となります。
試験内容は、1次試験(英語100点+数学100点+小論文)、2次試験(講義課題+面接(個人面接、グループディスカッション)計200点)で合否判定を行います。
なお、ふじた未来入試(総合型選抜)の高3限定枠は、引き続き国公立大学との併願を認めます。
・ 大阪医科薬科大学医学部では、特色ある入試が導入されます。
これまで行ってきた総合型選抜の「至誠仁術(専願制)」を廃止し、新たに「公募制推薦入試(専願制)」を新設します。
募集定員を10名とし、出願資格は評定平均4.0以上の現役生に限り、英語資格・検定試験で一定のスコア(実用英検なら1980以上、GTECなら930以上、ケンブリッジ英検なら140以上)を有していること、となります。
そして、当日の試験内容は、基礎学力試験(数学100点、理科2科目150点)+小論文+面接で合否を判定します。
つまり、この方式なら共通テスト受験も不要となり、入試本番で英語が課されません!
出願資格のうちの英語資格・検定試験では一定のレベルは求められますが、英語資格・検定試験は予てから何度も受験できますし、実用英検スコア1980は2級合格ラインです。準2級でも好成績者はクリアできるスコアです。ハードルは高くはありませんので、これなら英語が苦手な医学部受験生でも、既にクリアしている人がほとんどではないでしょうか。
「理系教科は得意だが、英語が苦手。でもどうしても医学部に入りたい!」という現役生(私立医専願生)は、この大阪医科薬科大学の受験を積極的に考えていいと思います。
・ 産業医科大学医学部でも、結構大きな変更点があります。
まず、総合型選抜を新規に実施します(募集定員10名以内)。
プレゼンテーション試験+大学入学共通テスト(80%以上)で合否を判定するとのことです。探究活動などで、プレゼン力を磨いてきた人に有利といえそうです。
また、学校推薦型選抜の推薦人数の上限を撤廃します。これまでは4名まで、と限定されていましたが、この措置で志願者は増えるかもしれません。また、浪人生の出願要件を変更し、評定が4.3なくても令和5年度の大学入学共通テストで80%以上を取っていれば出願可能になります。
なお、「小論文」を「総合問題」に変更します。名称は変わりますが、内容はこれまでどおり、現代文に英語や数学、理科を交えたような出題とのことです。
さらに、一般選抜も3方式に分かれます。A方式(従来方式)、B方式(1次共通テスト抜き)、C方式(2次学力試験抜き)の3種類に分けます。そして、A方式では1次共通テストの社会を60点 → 40点へ、理科を60点(1科目選択) → 80点(2科目選択)へと変更します。(共通テスト300点満点は変わらず)。
募集定員の内訳も変わり、総合型選抜の新規実施に伴い一般選抜の総定員は80名 → 70名となります。
最後に、R5年度の合格者最低点も入試広報の方から聞くことができました。 R5年度合格者最低点は606点/950点満点とのことです。
・ 最後に久留米大学医学部について、
「自己推薦型選抜」 を新規に実施し、約2名を募集します。選考方法は他の学校推薦型選抜と同様ですが、出願資格は国内の理系学部を卒業後3年以内で志望理由書等が必要となります。
この「自己推薦型選抜」の実施に伴い、学校推薦型選抜(一般枠)の募集定員を10名 → 8名へと減らします。
また、学校推薦型選抜の出願要件において、評定値3.8以上は撤廃します。
評定値の要件を撤廃した理由を入試広報の方にお尋ねしたところ、「推薦型選抜でも合格点が取れる受験生なら、高校の評定値は問う必要はないだろう、と判断した。」とのことでした。この変更により、評定は低いが英数はそれなりにできる現役生、あるいは前年度惜しくも評定が足らず推薦してもらえなかった浪人生にも、受験するチャンスが発生することになります。久留米大学の推薦入試は専願制のため、近畿大学の推薦入試(併願制)のように何百人も志願者を集めることにはならないでしょうが、志願者数が増えるのは間違いなさそうです。
最後に、R5年度の受験者と合格者のデータも入手できましたので、載せておきます。やはり、小論文(50点満点)と面接(50点満点)ではあまり差がつかず、学科試験の出来が合否を大きく分ける、と言えそうです。
久留米大学 前期試験 合不合別受験者平均点
英語 | 数学 | 物理 | 化学 | 生物 | 小論文 | 面接 | |
受験者平均 | 42.0 | 44.7 | 51.9 | 52.4 | 49.0 | 31.1 | 33.2 |
合格者平均 | 58.1 | 63.7 | 77.5 | 76.9 | 71.7 | 32.2 | 35.4 |
久留米大学 後期試験 合不合別受験者平均点
英語 | 数学 | 物理 | 化学 | 生物 | 小論文 | 面接 | |
受験者平均 | 46.7 | 50.9 | 47.2 | 45.5 | 51.0 | 28.3 | 33.7 |
合格者平均 | 65.6 | 78.8 | 80.0 | 67.2 | なし | 31.2 | 36.0 |
いかがでしたか。
今回はここまでにしておきますが、来年からの変更を告知済みの医学部もまだありますので、残りは次回7月のブログでお伝えします。受験生の皆さんは、これらの変更点を踏まえ、どの方式で勝負するのか戦略を練って頂きたいと思います。
また、私立医学部の入試日程もだいぶ出揃ってきており、2024年の医学部入試カレンダー&変更点一覧を現在急ピッチで作成しています。問い合わせて頂いたお客様には無料プレゼントさせて頂く予定ですので、お楽しみに。
医学部に合格した生徒様・保護者様の喜びの声
東京慈恵会医科大学医学部医学科 進学!
東京医科大学医学部医学科特待生 熊本大学医学部医学科 合格!
嶋田様
<生徒様より>
一次試験の結果前が一番緊張しました。
先生の授業は楽しかったです。大学では再生医療の研究がしたいです。
<保護者様より>
息子のペースに合わせていただけたので、とても助かりました。
集中していないとすぐばれるところも集団授業塾と違ってよいところだと思います。
小学生では集団塾に通っていて鳴かず飛ばずでしたが、中学1年からは面白くなったのか、頑張りはじめ、タイムラグはありましたが中2の終わりごろ、飛躍的に伸びました。あきらめず指導いただいて感謝しかありません。
教育への投資はローリスク・ハイリターンでした。早めの準備をすることが大事でした。
東京大学理科三類 慶應義塾大学医学部 合格!
水野様
<生徒様より>
研究医を志望しています。
そのための学習のみならず、人脈作りや海外留学の準備等にも力を注ぎたいです。
<保護者様より>
息子の知りたいという欲求にとことん付き合った上にさらに知識の広がりを芽生えさせるような指導でした。先生と生徒という垣根を越え親以上の愛情で受験の時期を支えていただきました。
大分大学医学部 合格!
佐原 湧大 様
<生徒様より>
自分の特徴や苦手な部分をすぐにわかってくださって、それに合った対策をしていただけたので、すごく力が付きました。毎回の授業が楽しみでした。
将来は外科医として、大分の人々を支えたいです。
<保護者様より>
受験という自分との孤独の戦いを先生方が常に息子に寄り添って一緒に指導を受けながら乗り越えていける様に当日の最後のその日まで息子を支えてくれました。
本当に感謝しています。ありがとうございました。
大分大学医学部医学科 合格!
金谷 慎士様
<生徒様より>
自分は部活を最後までするなか、模試の判定が悪かったのですが、先生たちの力強い励ましに何度も救われ、部活との両立できついときも頑張ることが出来ました。
将来は小児科の医師になり大分の小児医療を支えて行きたいと思います。
<保護者様より>
子供の現状をしっかり把握して今何が足りていないのか、何が必要なのかを分析し、目標までの計画を細かく立てて頂いたおかげで安心してお任せすることが出来ました。
不安なことがあれば何時でも相談にのってくださったのも受験を支える親としてはとても心強かったです。
宮崎大学医学部看護学科 合格!
宮地 渚様
<生徒様より>
生徒一人一人の個性や能力に合わせて、ノウハウを得た最高の先生たちがサポートしてくださるので、実力を伸ばすには打ってつけだと思います。
フライトナースになって1人でも多くの命を救うことです。
日本の医療を背負う1人になりたいと思います。
<保護者様より>
「2時間の授業が短く感じる」と、よく息子が話していました。
苦手だと思っていた数学がいつの間にか好きになり、論理的思考力も身につきました。
目先の結果に一喜一憂することなく長期間な視点で指導して頂いたお陰だと思います。