Z会の『速読英単語』シリーズは英語学習において非常に人気のある教材です。
例えば広島の修道中学・高校では入門編、必修編ともに英語学習の重要な取り組みとして位置づけられています。
今回はそんな『速読英単語(必修編)』の有効活用法をご紹介したいと思います!
対象は、英文を文法的に分析できる高校一年生以上です(中学文法を早めに終えてしまった中学二、三年生には入門編がおすすめです)。
以下の使い方を実践すれば
語彙・文法の力
意味のまとまりを見抜く瞬発力
文構造の予測力
速読力
発音やアクセントの知識
リスニング力
自然な発音
をまとめて身につけることができます。
これから始めるなら、夏休み中に終えるペースでスタートしてみましょう!
本文と音声CDを用意します。
まずは本文をしっかりと理解します。必要であれば、インターネットにて公開されている読解アシスト(http://www.zkai.co.jp/books/sokutan6/assist.html)も活用しましょう。
音声CDを聞きます。通して数回、続いて一文のみを数回聴いてみます。初めはかなり早く感じられると思います。英語のリズムが感じられるでしょうか。
本文を音読します。このとき、できる限り音声CDのスピード、アクセント、抑揚を真似るようにします。初めはとても真似られないと思うでしょうが、何度も音声を聴き返しながら発音してみると、だんだん真似られるようになっていきます。
どうしても難しい時は、聞こえた通りの音をカタカナで書き出し、それを読んでみることでうまくいくことが多いでしょう。たとえば in an experiment というフレーズはアクセントのある-per-の音節まで、弱く、速く、音が連結して発音されますから、音声を書き取ると「イヌヌクスペリメン」となります。この「イヌヌクスペリメン」をカタカナとして読んだ後で英文に戻れば、スラスラと発音できるようになっています。
そっくりに音読できるようになるころには、文を覚えてしまいます。
何も見ずにスラスラ言えるようになったら、その文に含まれる文法事項や構造をそらで解説してみましょう。また、意味のまとまりごとに区切って、前から順番に意味を取っていくスラッシュリーディングの練習も行います。そこまで行けば一文単位では完璧です。
これを一話分くり返し、最終的には最初から最後まで通して暗唱できるようになったら完了です。
大事なことは、「スラスラ」と言えること、中途半端にせず完璧主義に徹し、一話ずつ完全マスターを積み上げていくことです。必修編70題をこの要領でこなし終わった時、大学入試に必要な基礎力は磐石となっていることを請け合います。
私の授業では、この取り組みが最も有効な形で行えるよう指導しています。発音についても、必要に応じて発音記号、音の変化、リズムのポイントなど解説し、英会話への橋渡しも行います。
以上、音読を中心にした『速読英単語』の活用法をご紹介しました。しっかり声を出し、口の筋肉を鍛えるトレーニングだと思って取り組んでみてください。