夏休みを利用して一気に英単語とイディオム（熟語）を仕上げたいと考えている方も多いと思います。もちろん英単語は長文の中で初めて意味を持ち、文脈と切り離せないため長文読解とセットで勉強するのが一番効率が良いのですが、それと並行して単語やイディオムのみをまとめて学習するのに効率の良いコツがありますので、いくつかご紹介したいと思います。
①quite（全く、すっかり）、quiet（静かな）、quit（やめる） 3点セット
quite、quiet、quitのように入試に必出、頻出でよく似た単語は、その都度バラバラに覚えるのは効率が悪くなかなか覚えられないものですが、「3点セット」とひとまとめにしてスペルの違いに注目して、一括して覚えてしまえば、後がすごく楽になります。
②contribute、attribute、distribute 3点セット
contribute（貢献する、捧げる）、attribute（原因を帰す）、distribute（分配する）の入試に出る－tribute3兄弟も「3点セット」の例です。3兄弟なので名詞もcontribution 、attribution、distributionと同型となります。
③大学入試頻出の・・・up with 4点セット（添付挿絵参照）
・catch up with（追いつく）・・・前を走っている人の肩を後ろから「グィッ」と「つかむ catch」イメージ
・keep up with（遅れずについていく）・・・二人が横に並んでペースを「合わせ keepして」並走するイメージ
・put up with（我慢する）・・・台座に「put」して座禅してじっと動かないイメージ。動くと後ろからピシッ！
・come up with（思いつく）・・・体の上（up）の方＝頭へ何かがやってきて（come）ヒラメク！！
④イラスト、イメージで覚える単語（添付挿絵参照）
例えば、eye（目）、evil（邪悪な）、devil（悪魔）、submarine（潜水艦）など。
⑤中学レベルの単語で長文での意外な意味シリーズでまとめる。
例えば、game（獲物、策略）、book（予約する）、means（手段）、well（井戸、湧き出る）、employ（使う）、case（患者、訴訟）、interest（利息、利害関係）、pretty（かなり、相当に）、last（続く、持ちこたえる、決して~しそうもない）、picture（観念、状況、情勢、生き写し）、respect（点）、run（経営する、~の状態になる、立候補する）、fast（しっかりと、断食）、sound（健全な、ぐっすり）など。
⑥同意語や反意語をまとめる。
例えば、agree＝consent＝assent、endure＝bear＝tolerate、severe＝strict＝stern、precious＝valuable、legal⇔illegal、regular⇔irregular、rational⇔irrational、moral⇔immoral、understand⇔misunderstand、appear⇔disappear、advantage⇔disadvantage、encourage⇔discourageなど。
⑦動詞、名詞、形容詞などの派生語をまとめる。
例えば、die－death－dead、long－length－lengthen、strong－strength－strengthen、succeed－success－successful、succeed－succession－successiveなど。
⑧医系、環境、政治、語源など分野別にまとめる。
Surgeon、physician、physicist、symptom、diagnose、tumor、germ、immune system、allergy、anatomyなど関連した語は1つの長文の中に一緒に出現する可能性も高く効率的に学習できます。
以上のように、英単語やイディオムは「切り口」によって「3点セット」や「4点セット」になるものが多く、関連付けてセットでまとめて理解し、暗記するのがコツです。また、「語源」や「接頭辞、接尾辞」に注目することで論理的に理解が深まるとともに、記憶に定着します。自分に関係のある事や興味のある事、経験した事や深く心を揺さぶられた事、刺激の強かった事、理屈のあるもの、繰り返されることなどは忘れません。
単語やイディオムも同様で個々の知識をいかに有機的な結びつきができるかを考えてください。最初は時間がかかるかもしれませんが、ある「値域」を越えると「累進」的に習得量が増加します。
そして、覚えた単語は例文や長文中で確認し、例文や長文の単語をピックアップして同意語、反意語、派生語、関連語の「縦糸」と「横糸」を密にはり巡らして、何度も繰り返し記憶を強固なものとしてください。書き取り練習ももちろん有効ですが、ポイントに留意し、意識しながらでないと「作業」となったり、「作業が目的」となってしまいがちなのでご注意ください。
