こんにちは、中津校チューターの 田所(たどころ) です。
1学期終業式も終わり、いよいよ夏休み。夏休みの課題に、理科の自由研究という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、「科学者の発明・発見」の観点からエジソンの発明を取り上げてみます。
トーマス・エジソン(1847~1931・アメリカ)は世界の発明王として有名で、その発明点数は約1300点を数えます。3大発明は「電球」「ちく音機」「映写機」で、特に電球は大変な努力を重ねて発明したことで有名です。
1878年当時、電灯としては街灯に使われているガス灯のほか、工場などで使われているアーク灯が主なものでした。しかし、アーク灯は1つの電線に1つしかつけられない点、炭素棒の調節が難しく点灯時間も短い点、まぶしすぎる点など家庭用として用いるには多くの問題を抱えていました。そこでエジソンはこれらの問題を解決すべく、特にフィラメントの材料にこだわりながら実験を繰り返していきました。
ニッケル、白金、クロムなどの金属材料から始まり、コストの面から植物の繊維(もめん糸、わら、つる草などにタールを塗って焼いて炭にしたもの)へのシフト、そして、竹で作ったフィラメントで200時間光り続けるという結果にたどり着くことができ、材料を竹に絞っていきました。そして、研究材料の竹を世界中から集めて実験を行っていく中で、なんと日本の京都八幡村の竹が一番よいという実験結果となりました(点灯時間は1000時間を超えたといわれています)。こうして、海の向こうでは日本の竹を使った電球の実用化に成功し、人々の生活を大きく変えていきました。
このしくみは、以下のような方法で再現することができます。
準備:シャーペンのしん クリップ2こ セロハンテープ
単1アルカリ乾電池5こ アルミホイル ガラスびん(大・小)
方法:
① アルミホイルを細長く切り、それを折りたたんだものを2本作ります。
② ①の先にそれぞれクリップをつけます。
③ ②のクリップの部分をガラスびんの口に、セロハンテープで止めます。
④ クリップにシャーペンのしんをはさみ、余ったしんは折ります。
⑤ 単1アルカリ乾電池を5個、同じ向き(直列)に並べて、紙やセロハンテープで固定します。
⑥ しんをセットした④のびんに、もう一つのびんをかぶせます。
⑦ 電気を消して暗くしたのち、導線と電池をつなげてシャーペンのしんの様子を観察します。
⑧ ※しんの濃さ(2B、B、HBなど)や太さ(0.3、0.5など)を変えてみると光り方や光る時間がどのように変わるかなど、条件を変えることで様々な記録をとることができます。
フィラメントとして適しているものには、「電流は流れるが、流れにくいもの」が挙げられます。電流が流れにくいためにフィラメントが熱をもって、その結果光ります。シャーペンのしんに含まれている「炭素」にはこの性質があり、フィラメントとして適しています。エジソンが実験した植物の繊維を炭にしたものにも、この「炭素」が含まれており、実験の成功へとつながりました。
今回はエジソンの発明を例に紹介させて頂きましたが、過去の偉大な科学者たちが、どんな時代にどんなことをして発明・発見に至ったのか。調べ学習ののち、ぜひ類似実験にチャレンジしてみて下さい。
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「プロ家庭教師のDIC学園 中津校 田所」