私の担当する生徒さんの多くは、
『新学期に入ると今度こそはテストで良い点取ろうって思うんだけど・・・』
とよく話してくれます。どうやら節目節目に、心を入れ替えて頑張ってみよう!と思ってくれているようです。大変嬉しい心意気ですが、なかなかうまくいかない事も多いです。
目次
自分で取り組んできたこと
繰り返し解く事で得られること
成功事例
まとめ
自分で取り組んできたこと
初めて指導に入った際に平均点へ届いていない生徒さんへ、これまで自分でどんなふうに取り組んできたかを確認すると、以下のような返答がよく返ってきているように感じます。
・何をしたらいいかわからず、結局何もしなかった
気持ちばかり盛り上がってどこから手をつけたらいいか分からなかった、というところでしょうか。このタイプが圧倒的に多いです。
・問題集を買った
やる気のある時に買う問題集ですから、気持ちに比例するかの如く分厚くて説明がびっしり書かれているものを選びがちです。始めの2.3ページはラインマーカーを引いたりして取り組んだ形跡がありますが、ある日突然手をつけるのが億劫になってしまったようです。または、薄い問題集を何冊も買っているケースも・・・中身をちょっと見て分かり易そうだと感じて購入したものの、分からない問題でつまずいてからそのまま放置されているようです。そして新たに買い直して、を繰り返したようです。大抵第1章の計算問題あたりまでは取り組んでいる印象があります。書き込んでいるので、返品して別の問題集を買い直して…という事も勿論出来ません。
・ノートまとめをした
教科書や授業の板書ノートを参考にしながら自分でまとめたノートを見せてくれる生徒さんもいます。色ペンを使い分けてきれいに書いていましたが、思いの他時間がかかるようで、何らかの理由で出来ない日ができて、それからそのまま
になってしまったそうです。
ノートまとめも問題集を買って解くことも、勉強法としては決して間違いではありません。問題はその時の気分に左右されることなく、継続して取り組むことができるかどうかではないかと思います。
②ワーク活用法
身近にあり手を付けやすいものは、学校でもらったワークです。提出が義務づけられていることが多いので、嫌でも取り組まなければなりません。そのワークに絞って取り組んでみましょう。できればコピーして何度も解いてください。
・平均点を取るのが難しい生徒さん
まずは例題です。解説を見ながら覚えるまで解いてください。途中式が必要なものは解説のものを繰り返し写して、見なくてもそのまま書けるようになりましょう。解説を見ずに解けるようになったら基本問題を解きましょう。
・平均点にあともう少しで届きそうな生徒さん
例題の解法を確認してください。解法がつかめたら基本問題を徹底的に解きましょう。
参考までに、私が指導に入っている生徒さんには最低5回は解いてもらっています。
解法が自分の言葉で説明できるようになり、全問正解になれば合格です。
1回目…学校の授業で習った日に解く
(ワークや指定されたノートに書き込み、提出できるように仕上げる)
2回目…次の日に解く
3回目…1週間後に解く
4回目…テスト対策として解く
5回目…テスト前日に最終確認として解く
繰り返し解く事で得られること
同じ問題を解くだけで力がつくのか?答えを覚えてしまうだけで意味がないのではないか?というようなご意見をいただくこともありますが・・・本当にそうでしょうか?
以下繰り返し解くことで得られる効果を具体的に挙げます。
・解法を覚えることができる
同じ問題を何度も解くので、解法を覚えることができます。実際、解説の解法を何度も見ながら解いて覚えてくれた生徒さんがいます。途中式がとてもきれいに書けるようになっただけでなく、計算ミスがなくなる等、正確に解けるようになりました。
・理解しきれていない問題を見つけることができる
繰り返し解くうちによく間違える問題が出てきます。そこは完全に理解しきれていない問題です。必ず解法を確認し、解けるようになりましょう。そしてテスト前にも重点的に解くといいです。よく間違える問題はテストに出題される可能性の高い問題だと思ってくださいね!また、これまでは正解だったのに間違えた問題は、もしかするとたまたま合っていただけかもしれません。そういった見逃しがなくなります。
・問題に慣れた頃に出てくるミスに気付くことができる
解法が理解できて調子よく解けるようになった時に、計算ミスや符号ミスが出てくることがあります。前回は全問正解だったのに、とがっかりしてしまいますが、油断はできないということです。ケアレスミスだと軽く流さず、必ず解き直してください。そして「自分はこういうミスをしやすいのだな」ということを意識してください。ここまで仕上げると相当な自信に繋がります。
・自信がつく
自信をつけること、これが一番です。どんなに『大丈夫だよ』と言われるよりも、『何度も繰り返し解いたこと・全問正解になった解答を自分の目で確認すること』が自信につながっているように感じています。
ついつい目をそらしたくなりますが、繰り返し解く事で出てきた間違った問題としっかり向き合い対処する事が大切です。地味な作業ではありますが、手を抜かず取り組んでいきましょう。
成功事例
ここまでお伝えした勉強方法が、とても効果的に働いた生徒さんの例をご紹介します。
私が担当した生徒さんで、スタート時の数学の点数は20点台でした。その生徒さんには、学校のワークの基礎問題を使って指導しました。大抵の問題は途中まで理解できていたので、正しい解法が身につくよう授業を進めました(平均点が取れない生徒さんはこのタイプが非常に多いです)。宿題では同じ問題を反復して解いてもらいました。はじめはすぐに『出来ない、分からない』と諦めていました。ですが、正解が増えていくのが嬉しくなってきたようです。最後まで自分で考えようと取り組んでくれるようになりました。指導を始めたのは夏休み。2学期中間で40点台が取れるようになり、その後は少しずつ点数を上げ、平均点以上取れるようになりました。数学に対して自信がついただけでなく、楽しくもなってきたようです。
まとめ
色んなものに手を出さず、一つに絞って継続的に取り組むことが大切です。どうか諦めず学校のワークに絞って反復して解いてください。同じ問題を繰り返し解くことは、一見簡単なように思えますが、実は思いのほか根気のいるしんどい作業になります。ですが、続けていくうちにだんだん解ける楽しさが経験できるようになってきますし、それに伴って自信もついてきます。ぜひ頑張ってください!!