「注意力」は、中学入試を乗り越えるために、必要不可欠な力 | プロ家庭教師のディック学園プロ家庭教師のディック学園

  • 注意力アップの秘訣
  • 視写の効果
  • 視写で身につくものとは

 

こんにちは、DIC学園熊本校の石井宏治です。本日は、中学入試を目指している小学生とその保護者の方々に是非お伝えしたいことがあります。

 家庭教師として、下は幼稚園生から上は高校生、社会人までを担当してみて思うのですが、注意力は年齢に比例しないということです。「全て選びましょうって書いてあるから、答えはいくつあるかわからないね」と自ら気付く低学年の小学生もいれば、「正しい一文を書き抜きましょう」という設問に対して、答えは探せているのに書き写しミスを犯して得点し損ねる高校生もいます。

 過去にこんなことがありました。「先生。今日、マーク模試でやらかしちゃった」と高三の受験生が言うのです。どうしたのか尋ねると、正しいと思って選んでおいた選択肢の番号をまとめてマークシートに写していたところ、最後になって、問題番号がずれていたことに気付いたらしいのです。見直そうにも、問題数が多すぎてどこからずれ始めたのかがわからず、残り時間もわずかで、パニックになった挙句、最後は諦めるしかなかったそうです。帰ってきた結果が惨たんたるものだったことは言うもでもありません。唯一の救いは、これが入試本番ではなかったことでしょうか。

注意力アップの秘訣

 では、注意力は個人の差で、高めることはできないかというと、そうでもありません。注意力、集中力を鍛える手段の一つに、「視写」があります。簡潔に言えば、既存の文章をそのまま書き写すことです。ただ書き写すだけなのですが、慣れていないと意外と難しいです。大人の方は、新聞のコラム欄をひとまず書き写してみて下さい。写し終えてから、右手と左手で一文字ずつ追いながら確認をしてみると、漢字間違いや一文字抜け、送り仮名のミス、「行ってみましょう」と「行きましょう」のような書き損じ、中には一文丸ごと抜けているようなミスもあるかもしれません。こうしたミスは、添削している中でよく見かけるものです。大人でもやってしまいます。

 宿題で、音読を課している小学校は多いようですが、視写の宿題はあまり見かけません。一人一人のノートを確認するのは相当な労力なので、難しいことではありますが。音読には音読の素晴らしい利点があり、日本語のリズムを体全体で身に付け、新しい言葉を知るきっかけになります。是非、続けてほしいと思います。ところが、こんな実験があります。わざと誤字脱字を含んだ原稿を渡し、それを読んでもらうのです。少なからずの人が、誤字脱字に気付かず、知らないうちに修正した文章を読んでしまうのです。経験値から、「このような表現になるはずだ」と予測で読んでしまっているのです。間違いに気付いたうえで修正しているのならまだよいのですが、指摘されて初めて、「あ、本当だ」と気付く人は、テストでもケアレスミスを犯す可能性が高い人だと言えるでしょう。

 

視写の効果とは

 視写の話に戻します。視写の利点の一つは、ミスを可視化できることです。音読では、言った言わないになりそうなところでも、視写ならば確実に証拠が残ります。注意力不足を直したい、作文力を上げたいという生徒に、視写の宿題を出すことがありますが、添削をしてミスを見つけると、赤ペンで印をつけます。そしてミスの個数を記しておきます。根気よく続けていくと、ほとんどの場合、ミスは減っていきます。負けず嫌いな生徒の場合は、そのペースも速いです。ミスが出るのが悔しいからでしょう。問題を解く場合は注意力だけではどうにもならないこともありますが、視写でノーミスを目指すのは、注意力でカバーできるのです。同時に「見直す力」も格段に上がります。どのような見方をすれば、ミスが減らせるのかというスキルが身につくのです。

 もう一つの大きな利点は、多くの言葉、言い回しに触れられることです。上手い文章が書けるようになるためには、先人の書いた上手い文章に多く触れることだと思います。いつかどこかで触れた文章を繋いでいるうちに、オリジナリティが生まれてくるのではないでしょうか。文章力が上がれば、国語の力が伸びるのは当然のこと、読解力もついてきます。読解力は国語以外の教科にも不可欠です。今や、丸暗記の知識だけでは太刀打ちできない入試問題はどんどん増えています。注意力が乏しいと、入試では非常に不利となります。

 この注意力向上作戦は、いくつから始めても効果はありますが、早く始めるに越したことはありません。なぜなら、学年が上がれば上がるほど悪い癖がついてしまいかねないということと、現実問題として視写の時間を捻出するのが難しくなるということがあるからです。中学入試を考えている小学生であれば、是非今からでもルーティンに加えてほしいものです。視写の題材にする文章は、興味のある本など何でもよいのですが、せっかくだったら、新聞各社が発行している「子ども向け新聞」がおすすめです。小学生向けのものはルビが振ってあるので、低学年であれば該当学年以上の感じの練習にもなります。話題も自然科学や社会情勢など幅広く、時事問題対策にもなります。中学入試でも、時事問題は頻出です。こつこつと視写に取り組んで、週に数回やってくる家庭教師に丁寧に添削してもらい、題材の内容について質問したり解説を受けたりします。勉強の習慣が身につき、語彙力がつき、注意力がついてきます。しっかり読めることで理解が深まり、興味が広がります。自分の考えを持つようになると、意見を言ってみたくなります。各方面の知識を備えた家庭教師を相手に、ディベートの練習をしてみるのもいいでしょう。視写に真剣に取り組めば、「一石〇鳥」のチャンスに出会えるかわかりません。地味な作業ですが、本当に大きな力が身につきます。

 入試の対策としては一見遠回りのようですが、正確に読み取る力は、国語だけでなく全ての教科において必要不可欠です。年を経て自然と身につく分も多少はあるでしょうが、意識して鍛えた方が何倍も大きな力になります。中学入試はゴールではありません。入学後にどう学んでいくかが重要です。一朝一夕に身につく力でない代わりに、一度身についた力はそう簡単に衰えることはありません。大人になっても必要とされる力です。

 

視写で身につくものとは

 最後に、視写をした「ついで」の話をしておきましょう。「今日の視写は、何の話題だったの?」と保護者の方が聞いてみてあげて下さい。きっと得意になって話してくれるはずです。親子間のコミュニケーションになるだけでなく、自ずと要約する力が身につきます。書き写した文章を一字一句言うわけにはいかないので、より伝えたい内容を取捨選択して自分の言葉でまとめるようになるのです。たかが「視写」ですが、そこから得られるものは無限大と言えるでしょう。

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