目次
・志望校は下げないほうが良い。
・志望校を変えるのはいつ?
・まとめ
志望校は下げないほうが良い。
受験をするにあたって、当然ですが志望校というものは非常に重要なものです。この学校に入りたい、という想いがモチベーションになり、そのための対策を行うことが合格への近道になるのです。
しかし、模試で成績が思うように出なかったり、過去問がうまく解けなかったりしたときにはどうしても「志望校を下げる」ということが頭をよぎるものです。志望校を下げるということは受験にどういう影響を及ぼすのでしょうか。
極端に学力が不足している場合などを除いて、一般的には志望校は下げない方がよいと言われています。
その一番の理由はモチベーションが下がってしまうということです。元々の志望校とは別の学校を選択するわけですから、やる気の面で言えばまた1からやり直しということになってしまいます。
受験勉強は長く苦しいものです。気持ちの面の影響はとても大きいものがあります。
「この学校に行きたい」と強く思っていた場合は特に影響が大きいといえます。もちろん、下げてうまくいくことがないとはいいません。
しかし、家庭教師として様々な生徒を見てきた経験として志望校を下げて良い結果が出ることは多くありません。また、どうしても「レベルを下げる」と考えてしまうことから油断や慢心をしやすくなるともいえます。
試験問題は偏差値が下がるからといって問題の難易度も下がるとは一概には言えません。「志望校を下げたから勉強もそこそこでいいや」と思っているとその学校にも不合格になってしまう可能性が出てきてしまいます。
現時点で学力が足りていなくても、きちんとした勉強を続けていれば試験までに学力は上がっていきます。
下げなくても合格できたという可能性もあります。下げたから大丈夫と思い込んで気が緩んでしまっては、マイナスの結果を生むことになってしまいます。
そういった油断や慢心を起こさないためにもできる限り志望校は下げないようにしたいものです。仮に志望校を下げることになっても油断せずに必要な学力を身に付ける気持ちはいつも持っておきましょう。
結果的に志望校のレベルが下がることにはなっても、高い目標に向かって努力を続けることが重要だと思います。以上のように能動的に志望校を下げることは避けた方がよいといえます。
もし志望校を下げようかなと思った時にはもう一度なぜその学校に行きたいのかを振り返ってみるのがよいでしょう。そこで他の学校でもよいと自分が納得できた場合に初めて志望校を変えるという選択肢が出てくるものだと思います。
志望校を変えるのはいつ?
では、実際に志望校を下げるという判断をするとして、いつごろに判断するのがよいのか、何を基準に判断すればよいのかを考えてみましょう。
中学受験、高校受験、大学受験では当然ながら問題の難易度、受験科目、受験時期などは大きく異なります。そのため、志望校を下げる判断をいつにするかや判断基準も異なってきます。
中学受験では、学校によって問題の出し方が大きく違うので、志望校を下げるのであれば6年生の夏休みが終わるころには判断したいところです。
遅くても9月ごろには下げた場合の選択肢を考えておく方がよいでしょう。直前に変更を考えてしまうと慣れない形式で解くことになり、いつもの実力が出しづらい状況になるからです。
実際に出願するのは11月~12月でしょうから、この学校ならいってもよいという学校を第一志望よりも低い偏差値の学校からピックアップしておき同時に対策をしておき、出願直前に最終的な判断をするという形になると思います。
夏休みが終わる段階で最初の志望と現在の実力を照らし合わせ、受験校の選択をするとよいでしょう。
また、志望校の変更を本人に伝える際は「下げる」という表現を使わずにこの学校もいいよという風にネガティブなイメージを持たせないこともモチベーションの維持のため重要になってきます。
高校受験では、いつ判断するのがよいでしょうか。
高校受験の場合、私立高校と公立高校を受験するというパターンが多いと思います。公立高校を第一志望としている場合、志望校を変更するのであれば、直前にするのがよいかと思います。
公立高校では問題が共通していることが多く、問題自体の難易度が大きく変わることが少ないからです。勉強がひととおり終わった状態で変更するのでモチベーションの低下が影響しにくいのも理由の一つです。
公立高校の場合、多くの都道府県で一度出願した後に志望校を変更することができると思います。ギリギリまで悩んで結論を出すことができるともいえます。このときも安易に「倍率が高いから」といった理由で変更するのではなく、自分がどのくらい点数が取れるかということを模試や過去問から予想し、それを基準に合格の可能性を判断してください。
大学受験の場合も中学受験と同様に学校ごとの特徴が異なるので、早めに判断したいところです。
大学によって受験科目も異なるため、よりしっかり考えて志望校を変更する必要があるでしょう。国公立大学を受験する場合は共通試験の得点を基準として志望を変えることもあるでしょう。
その際は試験後に何点とったからこの大学と考えるよりも、あらかじめこの点数であればこの大学というように候補をいくつか挙げておくほうがよいでしょう。
○まとめ
どの段階の受験であっても重要になってくるのは適切な情報収集です。初めに行きたいと思った学校以外にも、自分に合いそうな学校を複数探しておくことがその後の学校生活を楽しく過ごすことにもつながります。
志望校を一つに絞るのではなく、もし第一志望が不合格だった場合の選択についても早い段階で検討しておいてください。
進学した後にこんなはずじゃなかったと思うことのないよう、納得した上で志望校を変えることを考えてみてください。倍率などの安易な基準だけで判断してしまうと後悔しか残りません。
志望校を下げる理由としては学校や塾の先生に言われてということもあるでしょうが、多くの場合自分の実力が足りていないと感じるからだと思います。
もちろん合格の可能性を少しでも上げたいと思うことは当然なのですが、それによってやる気が失われてしまっては本末転倒です。
そうならないためにも志望校を変更するときにはしっかりと納得しておくことが重要です。
受験は次のステージへの入り口であり、ゴールではありません。
進学した学校でどのような生活を送ることになるのか、校風が性格に合っているか、さらには卒業した後の自分がどうなっているかをじっくり考えたうえで最適な選択ができるように普段から情報を集めておき、後悔することのないようにしましょう。