大分校の東野です。
受験勉強やテスト勉強では暗記という作業が必須です。一方で「暗記ってどうやってやればいいかがわからない!!」という人も多いと思います。
ズバリ答えましょう。効率のいい暗記のためには、選別・積み上げ・繰り返しが大切です!この記事ではこれらの効率のいい暗記方法について詳しく解説します!
(1)選別
まず、暗記をするためには自分が何を覚えていて何を覚えていないかを知る必要があります。案外ここを考えずに闇雲に暗記をする人がいます。
例を挙げましょう。100個の英単語を暗記するとします。No,1から順番に覚えていって、最後まで終わったらまたNo.1から、そういう勉強をしている人は多いのではないでしょうか?しかし、その100個の英単語の習得度は同じでしょうか?初めから知っているものもあれば、覚えようとする過程ですぐに覚えられるものもあるし、逆になかなか覚えられないものもあると思います。そうなると、すべての単語を同じ回数だけ触れるのは効率が悪いと言えます。
つまり、効率がいい暗記をするためには、自分が苦手なものに触れる回数を増やし、自分が得意なものには触れる回数を減らすことが必要と言えます。
では、具体的にはどうするのか?
それは、暗記する際に間違ったものにその都度マークをつけていく。
すごくメジャーな方法ですが、知っていても意外と徹底できていない人が多いです。とにかく忘れずにマークして出来ていないものを優先してやっていくのが大切です。
先ほどの英単語を100個覚えるなら、以下のような手順がオススメです。
①No.1~100までを覚えているかを一通りチェックしながら、間違ったものにマークをつける。
②間違ったマークのものだけ覚え直す。
③もう一度テストをし、再度間違ったものに最初にマークしたものと差別化できるようにマークする。
④二度間違ったものだけに絞って再度間違ったものを暗記し直す。
⑤再度テストをして、間違ったものに違うマークをつけていく。
⑥テストと暗記を繰り返して、わからないものを絞っていって正解していないものがなくなるまで繰り返す。
暗記をする際には、上記の手順をぜひ実践してみて下さい。
(2)積み上げ
暗記をする際は覚えることを分割して覚えていくことが多いと思います。例えば、社会の用語を1000個覚えるなら200個ずつに5つのパートなどに分けますよね。
ただ、200個ずつ覚えて、覚えた後はどうするのかという点が問題になります。「一度は覚えたのに忘れてしまった!」となるのを防ぐ必要があります。一度覚えたものを効率よく覚え続けるためにはどうすればいいのでしょうか?
この解決には、暗記を積み上げ式にしていくことをオススメします。積み上げ式とは、一度覚えたことを次のことを暗記する際にも触れることで忘れることを防ぐ方法です。具体例を挙げながら説明しましょう。
例えば、社会の用語を1000個覚えるとして、それを5つのパートに分けて200個ずつ覚えるとしましょう。そうすると次の手順で進めていくことになります。
①パート1の200個を覚えたとします(覚える際には間違ったものにマークをつける選別を徹底してくださいね)。
②パート2の暗記に入るわけですが、その暗記の前にパート1の小テストを挟みます。ランダムで20個くらいをテストします。それをクリアできるまで繰り返し、クリアできたところから次のパート2の200個の暗記に入ります。
③パート3の暗記の際には、パート1・2の小テストをして、それをクリアした後にパート3に入りす。
④これをパート5まで繰り返します。
一見、今までやったことを繰り返しながら新しいことを覚えるのは負担が大きい気がしますが、一度覚えたものをキープすることは一から覚えるよりかなり楽にできます。
このようにしていくと、覚えたことをできるだけキープした形で暗記を進めることができます。
(3)繰り返し
暗記において実は一番大切なのは繰り返すことです。繰り返すことでテストや入試まで定着する知識をキープすることができます。
例えば、古文単語300個を暗記するとしましょう。50個ずつ6つのパートに分け、その後はパートを1つずつ暗記していき(しつこいですが、覚える際には間違ったものにマークをつける選別を徹底してくださいね)、順番に6つのパートを覚えていきます(前回までのテストをしながら積み上げ式でやっていきましょう)。このように一通り覚えた後、どう暗記したことをキープしていくか、それが繰り返しです。
繰り返す際には2つ気をつける点があります。
①暗記したことに触れる回数を均一にする(特定の苦手分野がある場合は別)。
積み上げ式で覚えていくとどうしても最初に覚えたことへの接触回数が多くなってしまいます。意識的に多く触れる分にはいいですが、仕組みとして接触回数が多くなるのは暗記の効率がいいとは言えません。これを防ぐためにも、暗記の2周目は後ろから覚えるなど、触れる回数を均一にする工夫が必要です。
②暗記したことの繰り返しは出来るだけ簡潔にすることを意識する。
勉強において暗記することはゴールでなくスタートであり、本来は覚えたことを活用して次のステップにいくものです。その意味で暗記したものをキープするための労力はできるだけ小さいほうが、効率がいいと考えます。そのため、暗記したものの確認は範囲を広く浅くテストしていき、時間をかけないことを意識したいです。
(4)オススメ教具
以上の3つのポイント(選別・積み上げ・繰り返し)を意識することで、効率のいい暗記が可能になります。この方法に適合した教具として、暗記カードを最後に紹介したいと思います。暗記カードの利点は次のような点です。
・暗記していないものを選別の際、印を入れずともカードを仕分けすることで出来るので、手軽。暗記していないカードがなくなれば一通り頭に入れたことになるので、視覚的にもわかりやすい
・積み上げや繰り返しの際の小テストもカードの山からランダムに選ぶだけなので、手軽。
・単語カードをバラせばランダムですぐにテストができるので、単語帳などで陥りやすい、ページの位置で覚えてしまうことを防げる。
一方で、単語カードは作成に時間がかかる点がデメリットです。しかし、最近は単語帳などのオプション商品としてカード形式のものも多く市販されていますので、それらを買って使うのも効率がいいと思います。
(5)まとめ
ここまで、効率のいい暗記方法について紹介してきました。まとめると以下のようになります。
・選別(覚える際には間違ったものにマークをつける選別をして、苦手なものを繰り返す効率のいい仕組みで暗記をする)
・積み上げ(今まで覚えたものを確認しながら新しいことを覚える)
・繰り返し(覚えた後もテストによるチェックを繰り返すことで忘れない)
・単語カードは暗記するのに効率がいい教具なので、ぜひ使ってみて
最後に。効率のいい暗記方法を知っても、結局はやらないと意味がありません。家庭教師の生徒で暗記ができる子は、効率がいいかどうか以前に時間をかけて覚える作業を確実にやっています。まずは時間をかけて暗記に立ち向かうこと、その上でここで紹介した効率のいい方法を用いて暗記をがんばってください!!