今回は、共通テスト英語の「リーディング」について学年別攻略法についてお話しさせていただきます。「共通テスト英語」は、かつての「共通1次試験英語」や「大学入試センター試験英語」とは試験内容が大きく変わりました。
「リーディング100点満点」+「リスニング100点満点」で合計200点満点です。
リーディングからは、「発音やアクセント、語彙、文法、および語法」などの問題がなくなり、資料読解や随筆文や説明文、物語文などの「長文読解」のみに変わりました。これが何を意味しているのか考えてみてください。
発音や文法や語法は、もはや当然あるべき「基本ツール」であり、「英語そのものが学習対象」であった段階から、「英語を使って情報を処理する、より実戦的な能力」が問われるテストへと変わったということです。つまり、日本の英語力を「世界標準」にまで高めることが目指されているのです。読む英語の分量も年々増え、センター試験で4200語程度だったのに対し、共通テストでは同じ80分で5500語程度となっています。以上のことから共通テスト英語を攻略するためには、各学年でしっかり目標を立て、ステップを踏んだ効率的な学習が不可欠となります。
それでは学年別学習法に入っていきましょう。
①プレ中学
今では、中学入試に英語が出題される中高一貫校も出てきました。
まずは、遊びやゲームで英語に触れることからスタートし小学生になるころ「児童英検」などを活用すると良いでしょう。子ども向けの絵入りの英和・和英辞典などもありますので、子どもが興味を持った単語を親と一緒に調べたりして興味を持たせるのも有効です。
楽しいと思えることが一番大切です。中学入試までに中1レベルの単語や会話表現、英検5級~4級合格が理想的です。
②中学1年生
まずは「共通テスト英語」に目を通してください。約6年後の第一関門の到達レベルを知るためです。「80分で5500語を読んで解く」肌感を感じてもらえればと思います。
次に兄弟や先輩、または図書館などで中2~中3、更に高3までの教科書を見てください。モチベーションアップと「6年間の自分なりの学習計画のラフスケッチ」をするのが目的です。
中学入試で「燃え尽き症候群」なんて眠たいことを言っている場合ではありません。今すぐスタートです。
学校の授業は概ねどこもかなりスロースタートです。1学期の間に中1の単語と文法の予習を終わらせましょう。特にJanuaryなどの月名やWednesdayなどの週名、hundredなどの基数、firstなどの序数をはじめ、library、umbrella、early、doctorなどの基本頻出単語を仕上げましょう。夏休みは、Be動詞と一般動詞や人称代名詞の復習と過去形や動詞の不規則変化表の暗記です。そして1年生の間に毎日単語に触れ、できる限り単語量を増やしてください。文法は文型や準動詞(不定詞、動名詞、分詞)に進みましょう。英検3級はクリアしましょう。
③中学2年生
進行形、受動態、現在完了、準動詞、前置詞、関係代名詞などの中学文法の総まとめ及び中学単語やイディオムの総まとめです。「ターゲット1400(Obunsha)」や「英単語分野別(河合出版)」などに着手し、高校入試問題や英検準2級をクリアしたいですね。
④中学3年生~高校1年生
大学入試英語対策の主戦場、佳境です。まずは「CROWN総合英語」、「ロイヤル英文法」などの文法書を1冊通読し、中学文法の確認と高校文法のまとめです。
プラス「解体英熟語」「解体英語構文」などで文法やイディオムの定着を図ります。
単語とイディオムは更に「東大英単語熟語 鉄壁」に取り組んでください。
最近やっと学校でもこれを使用するところが出てきましたが、個人の感想としては100年に1回出版されるだろうかと思える逸品です。
主な理由は以下の通りです。
a.例文が実際の入試で出題されたものであり「単語の実戦力」が養える。
b.単語に関連した入試頻出・必出のイディオムも満載している。
c.既出の単語が、後出の別の単語の例文中にさりげなく繰り返し出現し、単語がインプットされていく。
d.単語の派生語や関連語の囲い込み、まとめが多く論理的。
e.その一方でインパクトのあるイラストを多用し暗記に感性も活用している。
f.語源や接頭辞、接尾辞の意味が豊富である。
g.小単元ごとに即確認チェック問題があり、モチベーションを保ちながら次へ進める。
など、最も効率的に実戦的単語力を身に着けられるよう論理的に構成されており情報量も入試にほぼ必要十分と考えられる。
つまり、単語帳でありながら、「単語の学習、習得法」を教えてくれているのです。
又「速読英単語 必修編、上級編」も必読です。
⑤高校2年生
長文多読により、共通テスト対策仕上げ及び国立大2次対応の足掛かりをするときです。
「基礎英文問題精講」や「英語長文問題精講」で問題量をこなしましょう。
「英文解釈のトレーニング」「英語問題の研究(いわゆる電話帳)」「多読英語長文」なども量、質ともにお薦めです。
「ビジュアル英文解釈Ⅰ、Ⅱ」「パラグラフリーディングのストラテジー」などもここでみておきたいですね。2年の終盤で共通テストやセンター試験の過去問に取り組みましょう。また英検2級はまでクリアしておきましょう。
⑥高校3年生
志望校や2次対策中心です。
志望校の出題傾向に合わせて「英作文のトレーニング」「基礎英作文問題精講」「英語整序問題精選600」「減点されない英作文」「Next Stage英文法・語法問題」「即戦ゼミ3 英語頻出問題総演習」などで総仕上げです。「ポレポレ英文読解プロセス50」で野生動物たちのイラストに癒されながら濃密な英文法の論理にシビレルのも最終仕上げとしてお薦めです。
今では、広島大学のように、英検準1級以上の取得で共通テストの英語でアドバンテージが得られるところもありますので、志望校によっては、そういった学習も考えられます。
そして、10月くらいまでは志望校やそれに類似した問題傾向の大学の過去問を10年分以上できるだけ多く解きましょう。
11月くらいから再度、共通テストモードに切り替え、共通テストの過去問や模試に万遍なく取り組んでください。目標は9割前後です。共通テスト終了後、2次対策に戻ります。
以上、医学部や難関国立大学受験を想定した学習計画のラフスケッチですが、英語が得意だと選択の幅がグッと広がります。また、具体的学習法は、当ブログの「えっ?読めてる!!・・・夏休み中の英語学習法」や「英文法で筆算!?・・・効率的英文法の理解と習得」「夏休みの英単語・イディオム攻略法」にアップしていますので、ぜひご覧ください。