こんにちは。私が家庭教師をしてきて、あまり勉強のやる気が出ない子からよくこんな質問をされます。みなさんもこのように思ったことがある方、大変多いのではないでしょうか?ちなみに私は中学生の時、副教科ですが美術が大の不得意で、美術の先生が苦手なことも相まって毎時間憂鬱で、「こんなの将来絶対使わないのに…」といつも思っていました。
苦手な科目に対して子供がこのように思ってしまうのも、ごく自然なことかと思います。また「意味のない勉強はしたくない!」という意思の強いことを言う子供は私の経験上います。皆さんなら子供にこのように聞かれた時どのように答えますか?
意外と難しい問いだなと私は思います。なぜなら学校で勉強することの多くが将来役に立たない、ということは間違いではないなと思うからです。数学の因数分解が自分の生活を助けてくれるわけではありませんし、英語も話せたら役に立ちますが、学校の授業だけで英語が話せるようになる人はほとんどいません。実際に大人になって役に立つのは教科で勉強したことよりも、学校生活を通して得た友達やコミュニケーション能力だったりしますよね。
実際に私の経験では、「大人になったら役に立つものもあるとわかるよ」や「受験や就職で必要になり、将来への選択肢が広がるから」といった答えが多いかなと思います。もちろん正しいことだと思います。しかし、殆どの子どもには響きません。大人になった時、受験の時、というのは子どもにとっては実際に経験したことがないことで、イメージするだけです。そのため頭では理解できても、心から納得してモチベーションに繋がることはありません。
私は、このような質問が子どもから出てくるということは、その科目が楽しくないと思っているということであり、実はそこが根本的な問題だと思います。人間は役に立つことだけを選んでしているわけではありませんよね。ゲームが大好きでずっとしている子どもが、「ゲームが将来役に立つから」という理由でしているわけではありません。楽しいからしていますよね。
そのため、勉強もまず楽しみながらできることが1番大切です。当然勉強ですから辛いこともたくさんありますが、その中でも楽しさを見出すことができれば「将来これは役に立つのか?」という疑問自体が消えていくのではないかと思います。そのモードに入ってしまえば、モチベーションも上がっていきます。
そうは言っても科目がどんなことに役に立っているのか、本当にわからないから教えてほしいという子どももいると思います。そのため私が担当することがある科目の中で、「役に立たない」と言われてしまいがちな3つの科目について、あくまでも私ならこう答えます、という内容も記載します。
■数学
・数学の研究が進まなければ化学や物理は発展できなかった。つまり科学技術の進歩は数学のおかげでもある。
・プログラミングなど情報の分野でも数学が必要になる場合がある。
・論理的な思考力や空間把握能力、情報処理能力を鍛えることができるので、将来理系の道に進まなくも役に立つ。
■古文
・昔の人から学べることは多い。古文の文章には現代人にとっても生きていく上で大切な教訓がたくさんあり、そのような文章を自分自身で読めるようになることでより深く印象に残る。
・現代語も元は古文から変化してきた言葉が多く、現代語の深い理解にもつながる。
■歴史
・過去に人間がしてきたこと、その背景を学ぶことで、私たちが未来へ向けて正しい選択ができるようにしていく。
・歴史を学ぶことで、私たちが生きている現代がどのように形成されたかを知り、現代への理解を深めることができる。
最後に、勉強が楽しくなることと、勉強が理解できることにはやはり相関があると思います。その子に合わせた指導で勉強の楽しさを引き出し、理解を深めることでさらに勉強を楽しくさせることが家庭教師の役割で、私も日頃からそれを心がけて指導していきたいと思います。