「最も点数が伸びにくい教科」という印象がある国語について、プロ家庭教師としてのサポートの実例をお伝えしたいと思います。
「指導期間」
中3の12月下旬〜3月の1週目。2ヶ月半に満たない期間でした。
「期待されたサポート」
12月の模試で40%の得点率に低迷していた国語と、苦手意識のある社会のサポート。
学区で最難関の公立高校を受験するため、国語も80%以上が必要な状況でした。
→2ヶ月強で、国語を40%から80%(正確には83%)の得点率に伸ばすという、非常に難しい課題に直面しました。
「体験授業の役割」
先ずは生徒さんの国語の実力を分析しました。
点数が低迷した模試の答案を確認すると、
① 評論文の効率的な解き方を習ったことがなく、自己流で解いている
② 記述問題が苦手で時間がかかるが、結局空欄のままになる
③ 時間配分が出来ていないため、最後の大問である作文を書く時間が取れていない
④ 作文は0点であったが、時間を取って解けば8割以上得点できる実力を持っている
ということが分かりました。
「得点アップの戦略」
上記の状況から、2つの戦略を導入しました。
戦略①時間配分の見直し
時間がかかる記述問題を一旦飛ばし、作文まで全て解き終えてから、1番最後に記述問題に取り組むよう、アドバイスしました。
→この戦略により、翌月の模試では「作文」の得点が入ったことで、得点率が40%から60%に急上昇しました。
戦略②効率的で正確な読解方法の習得
自己流の読み方には、効率が悪い側面が多くありました。
「本文を何度も見返す」ため、時間がかかる解き方になっていたのです。
また、読む際に「何を意識して読むか」が明確でないため、とりあえず本文に目を通す形となり、本文の理解度も不十分でした。
→「作者の主張」を見極める読み方を、具体的に解説しました。論説文は「作者の主張」と「その根拠(例と事実)」で構成されていることを意識し、「主張」に線を引きながら読んで頂くようにしました。
→何度も本文を読み返さなくて良いように、「語句の言い換え」に( )をつけながら読んで頂くようにしました。
この、「主張を見極める」「言い換えにチェックをつけながら読む」ことを体験授業で解説し、それ以降は入試の過去問でそれを実践し、解説を繰り返すことで、身につけていきました。
「国語の得点率の推移」
60点満点中、
12月に24点(40%)
→1月に36点(60%)
→2月に44点(73%)
と、模試の点数は伸びていきました。
そして迎えた3月の入試本番では、なんと
52点(87%)! (※自己採点でなく、得点開示を受けた実際の点数)
の得点率を取り、第一志望の難関公立高校に合格されました。
国語の得点率が40%のままでは明らかに不合格だったため、保護者の方にも大変喜んで頂けました。
「目標から逃げない」
体験授業の時から、保護者の方に「国語と社会で60点中50点(83%の得点率)取れるようにサポートします」とお伝えした上で、その後の授業でも、生徒本人、そして保護者の方と「50点」という目標を毎回、共有しました。
社会は1ヶ月程で苦手単元の復習を終え、達成の見込みが出たのですが、国語は「高過ぎる目標」であり続けました。
しかし、私は目標を撤回せず、あえて毎回の授業で口にして、目標にこだわりました。
なぜなら、体験授業で実力と課題を分析した上で、達成可能な解決策を見出していたからです。
あとは生徒さんのモチベーションを上げながら、解決策を身につけて頂くだけでした。
「どんな生徒でも可能か?」
①授業でのアドバイスを受け入れる素直さ
②宿題に真剣に取り組む真面目さ
③読書を含む、これまでの学習成果
の3点が、今回の生徒さんの例では長所になりました。
しかし、全ての生徒さんがこのように短期的に伸びるわけではありません。
例えば「素直さ」について、国語の読み方を説明しても、「作者の主張に線を引く」という作業を行おうとしない生徒さんも、多くいます。
その場合、「線を引いたことで理解がはかどった」という成功体験が必要になります。
粘り強く、論説文に取り組む機会を提供する中で、どこかのタイミングで成功体験を得るチャンスを探ります。
「線を引く」ことは、あくまで「手段」に過ぎず、「本文を効率良く理解すること」が目的ですので、
「本文の意味が分かった!」
という成功体験が、その後の生徒さんの行動を変えていきます。
「人はみんな違い、成長への解決策も、みんな違う」
当然ながら、人はそれぞれ、全く異なる存在です。
実力も、目標も、性格も、何から何まで違います。
ある人で上手くいくことは、他のある人には通用しません。
①体験授業で、生徒さんの実力と性格を見極め、解決策を見出す。
②毎回の授業を「目標達成のためのプロセス」と自覚し、最初の解決策が有効な場合には継続し、改善が必要な場合には新たなアプローチを導入する。
ことを基本とし、生徒さん、そしてご家庭に幸せな未来が訪れるために、全力でサポート致します。
#国語 #受験戦略