目次
はじめに
試作問題第A問について
第A問を設問毎に見ていきましょう
引き続き試作問題第B問をみてみましょう
第B問も設問毎に見ていきます
全体を概観して
最後に対策は?
はじめに
令和7年度の共通テスト(令和7年1月実施)より、新課程に基づいた問題が出題されます。
変更点はほぼ全教科にわたりますが、国語については1つ大きな変化があります。
それは【実用的な文章】の問題が大問3に追加される、ということです。
大問が1つ増え、その分時間は10分増えるという変更です。
配点については以下の通りです。
- 従来:各大問50点(計200点)
- 令和7年度以降:評論45点、小説45点、実用的な文章20点、古文45点、漢文45点(計200点)
注意していただきたいのは、現代文110点、古文漢文90点となった点です。
センター試験時代から古文漢文は国語の得点源として重要だったのですが、それが少し減った、ということになりますね。
試作問題は共通テストのWebサイトに公開されていますので、今回はその問題を解いてみて、感想とその傾向と対策をお話ししたいと思います。
試作問題は大学入試センターのWebサイトで見ることが出来ますので、ご覧になってみて続きをお読みください!
試作問題第A問について
第A問は気候変動と健康に関する話題です。
テーマ自体はよくありがちなもの、と言えるでしょう。
気候変動と健康に与える影響についての文章、関係図、グラフとそれをまとめたレポートから問題が構成されています。
複数のテキストが出る問題はここ数年共通テストでもメジャーになってきましたが、それにグラフや図が複数付き、それらを総合的に読解していかなければいけません。
これは慣れていない受験生にとってかなり戸惑うのではないでしょうか?
資料ⅠとⅡが横書きの文章でした。
おそらく本番でも横書きの文章が入った問題を出してくるのではないでしょうか?
第A問を設問毎に見ていきましょう
問1…文章と図を比較検討出来れば答えられる問題です。
a、b、c、と下線部分や選択肢と図や表を照らし合わせれば解ける問題になっていますね。
問2…この【判断できない】という選択肢がなかなか厄介ですね。
早稲田の英語の問題などにTRUE or FALSEと判断できない、という選択肢がある問題は散見されますが、どれもたいてい難問です!
今回は文章アが曖昧な内容になっていて、順番に読んでいくと少し惑わされる構成になっています。
ただ、曖昧な文章は一旦保留して文章イ、文章ウと読んでいくと解答はすぐに絞ることができます。
これはこの問題に限りませんが、曖昧な選択肢は一旦寝かせておいて、全体から検討する習慣をつけましょう。
問3…レポートを作成する過程を想定した問題になっています。
資料Ⅱをしっかり読む事が出来ていれば解くことが出来る問題です。
接続詞【また】に気をつけていれば解答できるのではないでしょうか?
【また】【例えば】などの選択肢が指す内容をしっかりとらえる習慣を持っておきましょう!
引き続き試作問題第B問を見てみましょう
第B問は言葉遣い、【役割語】の働きについてのレポートを作成するという想定をした問題です。
言葉遣いについての出題、ということで第A問に比べてより従来の国語に近い出題となっています。
こちらの方を第A問の後に解くと、国語っぽさに逆に戸惑いそうです。
共通テストに関して、出来るだけ【攻略法】を作らせないぞ、という意思が感じ取れる問題になっていました。
第B問も設問毎に見ていきます
問1…2つの言葉遣いとその説明が両方とも合っていればOKの問題でした。
まずは簡単な問題になっていますね。
問2…定義と要約がしっかり出来るかが問われている問題です。
文章の要約は現代文でも英語でも日頃から練習していきましょう!
問3…役割語の例について、『ステレオタイプ』の意味が理解できれば簡単でしたね。やはり語彙は大事です。
問4…これもレポート作成を想定した問題です。
論拠の不十分な所を見つけよ、という実際にレポートを作るよりもある意味厄介な問題になっています。
似たような単語と同じ事を指す単語を区別していく必要があります。
今回は選択肢が簡単だったのでまだそこまで難しくありませんでしたが、これはややこしくしようと思ったらいくらでも出来そうですね…恐ろしい!
全体を概観して
なかなか満点を取るのが難しくなっているのではないでしょうか。
正確に言うと得点を取れる人と取れない人が分かれる問題と言えるでしょう。
共通テストの現代文の配点が高い、2次試験に総合問題が控えている、という受験生はしっかり対策を取っていきましょう。
問題の形式としては、国公立中学入試の論述問題、もしくは看護系大学の総合問題、慶應法学部のFIT入試に近いのではないでしょうか?(たいてい論述なので、共通テストとは違うのですが)
まだ予想問題などがあまりない場合は、こういった問題を勉強の合間に解いてみるのが良いでしょう。
最後に対策は?
現代文、英語などで文章の要約をする習慣をつけましょう。
英検でも要約が重視されていますし、今後大学入試全体に同様の傾向が見られるのは間違いありません。
時間配分は10分程度、15分以上かけないこと!(考えすぎてもかえって迷ってしまうような出題になっています)
解く順番ですが、これは最後に解きましょう。
先に解き始めてしまうと迷いがでて時間をむだに使ってしまう…という羽目になりそうです。
模試などで時間配分の練習をしておきましょう。
DIC学園では共通テストの対策も日々研究検討しています。
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